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四日市市塩浜本町, 三重県, Japan
ユマニテク医療福祉大学校の教員をしています。専攻は理学療法学科です。これから、学生とともに学校生活と理学療法士に仕事について紹介をしていきます。

2010年7月17日土曜日

話すこと・聞くこと(4)

先日のブログで英語の学習について掲載しました。

やはり、他言語学ぶことは難しいことがわかりました。

他言語を学ぶためには「話す、聞く、読む、書く」を習得しなければなりませんが、
最も難しいのは「聞く」事のようです。

確かに、「読む」ことは、意外と時間をかければできるような気がします。
私も英語論文はよく読みます。専門的な分野の論文を何本か読むと読むことができるように
なります。でも、時間がかかります・・・・。

また、書くことも時間をかけて練習をすれば何とかできるようになります。
最近ではSNSを利用した学習サイトがありますので、利用するのも一つです。

しかし、話すことは違います。会話のキャッチボールをするためには相手の行っている言葉を聞き取る必要があります。

そして、その意図をきちんと理解することが重要になります。
しかし、理解をするためには、「聞く」ことが最も難しいようです。

なぜでしょう?
その理由は4つあるようです。

1つ目は「速度の問題」
      アメリカのニュース番組なら、1分間に240ワードが平均的な速度だそうです。
      かなりのスピードですので聞き取るだけで精一杯で内容を理解をすることは
      なかなか難しいです。

2つ目は「文構造の違いによる「語順」の壁」

      日本語と英語の語順が異なるため、聞こえてきた音声をそのままで理解すること
      が難しいようです。

3つ目は「音声語彙の壁」

      音声語彙とは、音声を聞いただけで瞬時に意味のわかる語彙のことを指しますが、
      5000語の語彙力があっても瞬時に判断できるのは1000語程度になります。

4つ目は「音の変化の壁」

      ネイティブは単語同士がつながって発音されることで音の変化が起こり、結果的に違う音  
      に聞こえてしまうことになります。


そのため、「聞く」ということが最も難しい理由です。

そして、「聞く」事ができたら、「話す、書く、読む」は楽になりますから、「聞く」ということに重点を置くことが重要になります。

では、どのようにすると、いいのでしょうか?

それは、日本人には、圧倒的に英語に触れる機会が少ないようです。つまり、英語に触れる機会をもっと増やすことによって、聞き取ることできるようになるそうです。

なにか、宣伝の文句と一緒になっていきましたが、根本は同じ考え方です、

以前、北欧圏の言語学習方法は聞いて学習することに重点を置いている。といいました。
誰しもそのように学習することで、できるようになります。
事実、私のそのように学習しているからです。

皆さんもがんばって英語に触れる機会を増やしていきましょう。

2010年7月13日火曜日

理学療法士の講師をしてきました。

三重県士会の新人プログラムの講師をしてきました。



11日(日)鈴鹿医療科学大学にて「理学療法における研究方法論」の講師をしてきました。
臨床現場で働き2年目の理学療法士の先生方を対象に行いました。本校を卒業した者も参加しており、久しぶりに会って、臨床で活躍しているようでとても嬉しく思いました。


研究方法論に関しては、講義のスライドを少しアレンジして行いましたが、スライドが多すぎて
結果的には、スライドを半分ぐらい残して終わってしまいました。

皆さんすいません。


かなり脱線をしながら、私の思いを述べていたのが、どうも失敗のようでした。
現場で、患者を相手にセラピーを行うことが研究であると考えています。その理由は、セラピーを
行うためには患者の問題点を抽出して、その問題点を解決するために効果的な治療方法を探し、
効率的にセラピーを行う。効果的な治療方法とは、根拠のある治療方法です。


つまり、科学的に証明をされたものを探して実際に行うことをします。
実験的な研究も同じです。目的としては、問題を解決することです。
しかも根拠を必ず示すのです。それは、文献的な根拠、あるいは実験を行い事実を示し、統計的に説明を加えることが、現在考えられている科学性といものです。

そして、その結果を検討をする。
これは、治療方針を決定するときにも同じように行います。
患者の問題点にあった治療方針を検討し、問題を解決する成功率について説明をする。

現在の医療は「自立の原則」があります。

そして「自己の尊重」が必要ですので、必ず説明を行い、同意を得てから治療を行います。
その説明のときに必要なのが、科学的根拠になります。


しかし、理学療法において、科学的な根拠のあるセラピーを探すことが難しいのです。

現在、各学会から様々なガイドラインが作られています。その内容を見ると運動を行うことは必要である事はわかっているようです。しかし、その運動が必ずしも必要であるとは根拠がないので

言い切れないのです。

とても寂しい話です。運動が人間の身体にとって必要であることは、自分自身感じています。

しかし、根拠がないので説明できないのです。「治療の中に運動が必要です」ということが・・・


そこで、どうですかみなさん、一緒に根拠を作っていきませんか?

何故運動が必要であるのか? そして、どのような運動が必要なのか?

こんな話をしていたら、時間がなくなってしまったのです・・・・。

すいません、みなさん・・・・・

2010年7月8日木曜日

身体化させた認知(1)

身体化された認知(1)


「身体化する心」とか訳させているようである。Embodies Cognitionと表記させる。
さて、いったいどのようなことを指すのかというと、

簡単な例を挙げると面接官に堅い手持ちボードを渡したときと柔らかいボードを渡したときでは、面接官の評価が堅いボードを持たせたときの方が評価が厳しくなるという。

これは、すでに論文にもなっている。また、「重たい荷物を持って出かけたときと軽い荷物を持って出かけた時には、重い荷物を持った時の方が気分が重たくなってしまう傾向にある。」だそうです。


つまり、我々は触覚によって認知行動が支配されてしまい易いようである。
しかし、これは、意識をさせてしまうと作用は半減してしまうそうだ。

確かに、人間は赤ちゃんの頃から考えると生まれた時は触覚や嗅覚に頼って行動をしている。
新生児の頃の視力はかなり悪く、親の顔を識別することができない。しかし、乳首の探索行動は起こる。これは、母乳のにおい、つまり嗅覚を使っての行動であり、口の中に指を入れると吸引するのは触覚になる。

また、上肢を大きく動かして物を探索するのでなく、手の平に触れたもの対して握る反射把握反射が生態的に持っている。大きな音を立てるとビックリした様子をするモロー反射などを考えると、やはり視覚の情報は新生児にはまだ備わっていない状態であることがうかがえる。

そして、顔を認知できるようになるのは、どうも人見知りをする時期、はっきりと人の顔を認識するために人見知りをするのであろうと考えられている。

しかし、触覚に関して統合させる時期はもっと先である。さまざまな経験を積むことで触覚や感覚が統合させる。その統合させる時に、触覚と感情とが脳内の似通った領域に統合させる結果、上記のような感覚が生まれてくると考えられている。

脳内機能は沢山の神経細胞が存在しており、さまざまな感覚を同じ局所にて処理を行っている。その際に触覚と感情とが同じ領域内で処理されるために上記のような現象を起こしているようである。

なんとなくわかったような気がするが…

 これらの考え方をリハビリテーションの治療方法に応用することを考えていきたい。
うまく、この現象を利用することで感覚や感情をコントロールすることができればとても有益な方法となると考える。しかし、意識をすることで機能の作用が低下するので意識させないように応用するには一工夫必要である。

もう少し、よく考えて研究をしてみたいと思う。
次回はすこし応用例を考えてみたい。

2010年7月6日火曜日

話すこと、聞くこと(3)

話すこと、聞くこと(3)


前回は、the science writting huristic ならびにthe landscape modelが世界のなかでは学習モデルとしてはすばらしいことを説明しました。そして、日本でも教育方法を「ゆとり教育」から「詰め込み教育」に変更していくことを少し説明しました。

そこで、もう少し詳しく調べましたところ、学習方法には地域の特異性がどうもあるらしく、アジア圏では、文章を書いて学習し、欧米圏では、聞いて学習することが効果的であるとされているようです。そのため、英語やフランス語、スペイン語などは聞いて言語を学習する体系が整っていて学習教材なども聴覚とイメージによった学習を行っています。
また、日本語や中国語、ハングルなどは書いて学習するようになっているようです。

実は、調べていて納得をしていました。子供のころにはよく文字を書かされていたことを思い出しましたし、現在の英語教育では、インターネットを使った学習やCDやテープを使った学習方法が話題になります。
何を隠そう、私も利用しています。

余談ですが、英語学習に利用しています。その学習サイトはhttp://smart.fm/という無料サイトを利用しています。意外といいように思います。

しかし、読解力や理解力を養うためには、単純に書くことが大切なわけではありません。
その文字が持っている意味概念をしっかりと把握することが必要であるようです。それが the landscape modelのようです。そのためには、単語の持つ意味概念がわからないと理解が進まないことはよくわかることです。

日本人が突然海外にいったときに意味のわからない言語で話されても話の内容はまったく理解することができない状態です。これは、失語症も同様です。

それは、日本語の中でも同じ現象が起こると思われます。

よく興味のある学会に参加します。先日も座長をさせていただきました。その際に自分の興味のない分野以外の発表を聞いた時になんとなくニュアンスはつかめますが、発表に対して質問をすることができないときがあります。

まさにこれです

単語の意味概念がわからないので、一生懸命説明されても質問をすることができないのです。
これは、専門用語ではよくあることだと感じています。医師が患者に対して治療方法を説明します。しかし、患者は専門用語が多すぎて最後には、「先生、お任せします」の一言で終わってしまいます。

そのような場合は、説明が不足していたのだと再認しなければなりません。

実は、この状況は講義の中でも起こっているようです。新しい講義が始まり今まで聞いたこと言葉や見たことのない漢字そして、講義のスピードも中等教育のときよりも速くなります。それでは、理解を促すことが困難なことは明らかです。しかし、ゆとり教育をされていたものは、それに対する対処方法がわからないので講義を聴こうとしない状態になります。

そのため、このような状況を改善するためには、何から手をつけるのがベストなのかは、わかりません。
 でも、待っていても仕方がありません。

そこで、現在、本校では「国語力向上講座」を時間外に設けて読解力と理解力を養う試みとコミュニケーションをとることによる読解力を向上させる試みを行っています。
今、試行錯誤の段階です。もう少しすると結果がわかると思います。そのときにはお知らせをしたいと思います。

それまで、しばらくおまちください。

2010年7月3日土曜日

最後の総合臨床実習中です

最後の総合臨床実習後期



最終学年である4年生が総合臨床実習中である。
来年の4月からは理学療法士として実際の現場に出て働くことになるが、そのためには、現在の総合臨床実習を終了する必要がある。今まで勉強してきたことをすべて利用して行わなければならないから、

当然、総合臨床実習は大変である。

総合臨床実習の目的は、Bed Side Learnigによれば

1.基礎・臨床知識の習得
2.基本的な問題解決能力と判断力の習得
3.病歴・身体所見などの基本的スキルの習得
4.患者・家族や医療関係者とこコミュニケーションスキルの習得
5.医療人としての人格の形成
6.生涯自己学習ができる能力の習得

 これらの目的を達成したものが国家試験の受験資格を得ることができる。
達成をするためには、指導者の対して簡潔に自分の考えの説明を行い、指導者との会話もちろん、患者との会話、他のスタッフとの会話を適切に行いバーバルコミュニケーションを用いて信頼関係を築く必要がある。

 また、レポート作成する必要があるため文章力は必要であり、教科書から必要な知識を得るために読解力も必要になる。それ以外には、信頼関係を築くためには知識も重要である。3年間がんばって勉強してきたことすべてを使って臨床実習に臨まない限り達成することもできないし、自分の限界に挑戦してはじめて達成することになる。
そして、その結果が、知識向上はもちろん人間的にも成長して学校に戻ってくるのです。

その成長をした学生の姿を見ると、我々教員は感動です。
それを確信することができるのは、実習が終わってから行われる、症例報告会です。

そのときは、我々の質問も臨床の現場に戻った気分で疾患の内容、治療方法、訓練の目的などの質問をします。時には厳しい質問をしたりしますが、その質問にもしっかり応答してくれるともう感激です。そして、その時に学生の成長したことを確信します。
    いかに論理的であるか、
    根拠は存在するのか、
    自分の考える主張は何で、
    主張を導き出した過程はどのように導き出してきたのかを聞きます。

彼らが実習が終了するまでには4週間近くあります。彼らが成長した姿が見れることが待ち遠しいです。

きっとすばらしい症例報告会になると思います。

そして、来年の今頃は同じ臨床の現場に立ち、理学療法士として活躍しているのだと思います。
でも、その前に国家試験がありました。来年の2月が下旬ごろと思いますが、必ずや合格してくれると信じています。

それでは、3週間後、症例報告会の報告をさせていただきたいと思います。

学生たちが成長した姿を報告できることを期待していてください。