自己紹介

自分の写真
四日市市塩浜本町, 三重県, Japan
ユマニテク医療福祉大学校の教員をしています。専攻は理学療法学科です。これから、学生とともに学校生活と理学療法士に仕事について紹介をしていきます。

2010年8月30日月曜日

全国学力テストの結果から(1)

全国学力テスト結果

今年も4月20日に全国の小学校6年生と中学校3年生を対象に抽出及び希望学校の対象学年に対して全国学力テストが行われた。

特に関連深い中学生の結果から考えられる課題を以前の結果と比較を抜粋する。
http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/22_chousakekka_point.pdf

全体的調査結果については、2点課題として挙げられる。

1点目は、思考力、判断力、表現力等といった、知識を「活用」する力とあわせ、基礎的・基本的な知識・技能もしっかりと定着できていない。「活用」とは、国語では資料や情報に基づいて自分の考えや感想を明確に記述すること。
 また、算数・数学では、日常的な事象について、筋道を立てて考え、数学的に表現することである。

「知識」とは、国語では、文の構成を理解し、伝えたい内容を適切に書いたり、推敲したりすること。算数・数学では、割合や比例など、2つの数量の関係を理解することである。


2点目は、中学校調査のうち、平成19年度小学校調査の結果を踏まえた問題が出題された結果から、小学校・中学校を通じた継続的な指導が必要な課題が存在する。つまり、充分に理解せずに進められている。あるいは、小学校・中学校の教育カリキュラムに問題があることである。
 各教科では、国語では、人の話の内容を充分に理解することができない。話す対象者に合わせて話の内容を変更することができない。数学では、円柱の体積を求めることができない。求める数値を他の文字に置き換えて計算することができない。などが大きな課題として捕らえられている。

各々の科目の詳細項目の課題を抜粋する。

http://www.nier.go.jp/10chousakekka/0726CD_data/chuu_kekka/22_chuu_kekkagaiyou-2_kyoukanikannsuru.pdf


1)国語では

話すこと・聞くこと

 表現の仕方に注意して話し方の工夫を捉えることに課題がある。
   資料の提示の仕方を工夫し、その方法を説明することに課題がある。

書くこと

 与えられて条件に応じて、言語に関する知識などを適切に用いてわかりやす文章に書き直すことに課題がある。書かれている内容をもとに、自分の考えを書くことに課題がある。

読むこと

 論理の展開の仕方を捉えて、内容を理解することに課題がある。
 記事文における表現の仕方を捉えること、文学的な文章における比喩の内容を考えることに課題がある。

言語事項

 語句の意味を理解し、文脈の中で適切に使うことに課題がある。

2)数学では

数と式

 一元一次方程式の解の意味の理解について課題がある。
 予想された事柄を振り返って考えたり、予想された事柄が一般的に成り立つ理由を説明したりすることに課題がある。

図形

 空間図形における長さの関係を見取図かた読取ることに課題がある。
 事象を数学的に解釈し、数学的な表現を用いる説明することに課題がある。

数量関係

 与えられた事象の中にある2つの数量の関係が一次関数であることの判断に課題がある。
 問題解決のための構想を立て実践し、その結果を数学的に表現することに課題がある。
 事象を数学的に解釈し、問題解決の方法を数学的に説明することに課題がある。


国語・数学の問題は「知識」と「活用」を目的とした出題方式をとっている。各々の目的を相関関係を見てみると両教科共に「活用」の正答数が多いと「知識」の正答数も多い(r=0.754(国語),r=0.843(数学))。バブルチャート(知識の正答数と活用の正答数、正答生徒数の相関)を作成すると
「知識」の正答数が多いと「活用」の正答数において広く分布している。

これらの結果から考えると、「知識」があると「活用」をすることができることになる。つまり、「知識」を十分に理解することにより、応用問題を解くことができるようになると考えられる。しかし、応用問題が解けるからといって「知識」が十分に備わっていないことは否定できない。

問題の解き方をたくさん暗記をしていても、十分に理解できていないと知識の活用をすることができないと考えられる。

これかの教育の中に知識を蓄えるだけれはなく、理解して活用できるように教育していくことが必要であると考える。

0 件のコメント: